トラの女房。

こんにちは。
七夕と言えば…給食の「七夕ゼリー」などうも僕です。
青りんごゼリーに匹敵するぐらい美味しかったかどうかは忘れましたが、
七夕と言えば七夕ゼリーなんです。
一年に一回会える素敵な日だって?んなもんシラネw



今日はちょいとプロ野球の話を。
セ・リーグ阪神パ・リーグは西武が首位。
僕の予想は見事に外れています。
まさか阪神が2位中日に11.5ゲーム差(7月7日時点)をつけるなんて誰が予想したでしょうか。
まさか西武が12球団ダントツの109本塁打(同上)を放ち、現在首位だなんて誰が予想したことでしょうか。
自分の予想がドンピシャで当たった記憶がないので、外れると思ってはいたものの、
この展開はちょっと予想外ですねw



それにしても阪神が強い…。
シーズン半ばなのにも関わらず、2位と11.5ゲームも突き放して独走している。
12球団1位の防御率(3.08)も確かに凄いが、
目立つのが打撃面のチーム本塁打数42という数字だ。
これは12球団11位という下から2番目の数字である…。
しかし、得点数は324でセ・リーグで唯一300得点を越えているのだ。
どれだけ阪神の打線が本塁打に頼ることなく、繋いで繋いで効率よく得点しているのかがよくわかる。
現に阪神はチーム防御率と同じくチーム打率が.283で12球団トップである。
「打って打って打ちまくる印象はないが、ここぞというところでうまい具合に点をとられて負ける…」
点の獲り方がうまい阪神を相手チームはこう思っているのではないだろうか…。



2003年の優勝から阪神は中日と同じセ・リーグの常勝軍団になっている。
2003年と同じく2005年にもセ・リーグ制覇をし、今年は特に圧倒的な強さでセ・リーグを独走している。
その阪神の強さの鍵は捕手にあると自分は思う。
矢野輝弘
現在圧倒的な強さで勝ち続けている阪神タイガースの正捕手だ。
現在プロ12球団で最も優れている捕手だと自分は思っている。
しかしながら、矢野は他の阪神の選手より目立ってないように見えるのは自分だけだろうか…。
2003,2005,2006年の3シーズン『ベストナイン』に輝き、
2003,2005年はゴールデングラブ賞の栄誉を得ている。
しかし阪神の中心選手は?という問いに対して自分のただの思い過ごしだといいのだが、
『金本』『鳥谷』『赤星』『新井』『下柳』『藤川』『今岡』…
「あ、あと矢野!」みたいな。。。なんかそんな気がしてしょーがない。



矢野の実力はもちろん実績通り本物である。
とりあえず捕手として兼ね備えていけないものは全てにおいて揃っている。
ただ近年、捕手の役割が少しずつ変わってきていると感じているのは僕だけだろうか…。
最近の一流捕手と言えば古田、城島、北京オリンピック予選でマスクをかぶっていた阿部…。
強肩強打はもちろん、それに加えて『カリスマ』的な要素が含まれているような。。。
投手よりも捕手が目立つ時代になってきた。
それはそれで素晴らしいことだと自分は思う。
昔「3K」と呼ばれていたキャッチャーは野球少年が嫌うポジションのひとつだった。
その嫌なイメージを払拭させるぐらい素晴らしいキャッチャーであるからだ。
キャッチャーがグイグイと投手を引っ張っていく姿はカッコいい。。。
そのカッコよさで以前よりかは「古田みたいな…」「城島みたいな…」「阿部みたいな…」というようにキャッチャーも人気が出ていると思う。。。



話が少しそれてしまったが…。
矢野の実力は言うまでもなく本物である。
けれども、あまり目立つ選手ではない…。
ただ、テレビで見るとそんなに矢野の凄さはわからないが、
球場に足を運んで生でそのプレーぶりを見ると、
キャッチャーをやっていた自分にとっては「凄すぎる」と驚くことばかり。。。
まずはスローイング。
矢野の肩は「他の捕手に比べるとどうも…」「肩はそんなに強くないほう…」
と言われているが…確かにそれは当たっているのかもしれない。
しかし、そのスローイングの正確さは12球団の捕手の中でもトップクラスである。
レーザービームのような矢のような送球ではない。
ただ、ブレない。そして垂れない。送球が一定しているのだ。
そして一番驚いたのがピッチャーが投げたボールを捕って右手に持ち替えるまでの早さだ。
これはもう神がかりといっても過言ではない…。
一切のムダがないのだ。
プロ野球の捕手はどの選手も強肩である。
12球団の代表的なレギュラー捕手よりも2軍でいる捕手の方が肩が強いということも数多い。
ではどこでスローイングの差が出るのかというと、
上で書いたように、球の正確さ、足の運び方、捕ってから右手に持ち替えるまでのスピード…
これで一流と二流との差が生まれてくるのである。
その点に関して矢野は間違いなく一流であり、年齢の割に高い盗塁阻止率を誇っているのはその部分である。



キャッチングに関しては見る人によって好き嫌いあると思うが、
矢野のキャッチングはかっこよくはない…と自分は思っている。
ただ、投手が投げた球を受けた場所にピタっと止めることに関しては申し分ない、というか素晴らしい。
矢野のキャッチングの特徴は良い意味で自然に、軽く捕っているというところだろう。
「俺のキャッチングを見てくれ」というようなキャッチングはせず、
自然に、何事もなかったのかのように投手の球を捕っているかのように見える…。



そして、
もっとも、
矢野が素晴らしいのがリードだ。
はっきり言って、
テレビでみる限り、阪神の先発投手陣は、これといった超一流投手はいない。。。
下柳、安藤、岩田、アッチソン、上園。。。
これら5人は下柳や安藤は実績もあるし素晴らしい投手ではあるが、
他の球団の投手陣と比べると…
確かに後ろの投手の渡辺+JFKは素晴らしいのだが…
12球団トップの防御率を誇っているチームの先発ローテーションとは思えないと思うのは自分だけだろうか。
超速球派投手もいないし、伝家の宝刀と呼ばれるぐらい凄い変化球も持っている投手もいない。
この中では岩田がスライダーがよく曲がるし球自体の能力は先発投手陣の中では一番だが…。
でも岩田と上園は若い分、強気なリードで投手を盛り上げていく野口を岡田監督は起用している…。
また話がそれてしまったが、
矢野のリードの特徴は散らせるのがうまいというところにある。
相手バッターに的を絞らせないところが素晴らしい。
矢野のリードを見ていると、自分では次はここかなと予測しても、
自分とは全然違うところに要求していて「あ、なるほど、その手があったか」というようなリードをしている。
それも無茶苦茶なリードではなく実に念入りに練られたリードなのだ。
具体的ではなくかなり抽象的でもうしわけないが…。
そのリードの源は観察力と洞察力の高さにある。
バッターのしぐさや、特徴を把握し、その投手の能力を最大限に引き出している。
投手によって、相手打者によって、引くところは引き、攻めるときは攻める。
一番勉強になるリードは矢野だと自分は思っている。



それもこれもリードを含めた矢野の素晴らしさは視野の広さにある。
特に矢野の捕手としての観察力や洞察力の鋭さを感じたのは、
実は盗塁阻止の場面のときだ。
矢野は盗塁阻止のときにウェストボール(わざと高めに外して送球しやすくする球)を要求してランナーを刺すことが多い。
他の球団の捕手に比べても矢野はウェストしてランナーを刺す確率が格段に多いと断言できる。
試合展開、ボールカウント、3塁コーチが出すサイン、ランナーのしぐさ、バッターの構え方など…
それらを総合的に見て、ボール一個タダであげるウェストのサインを投手に出す…
たった一個のボール球でもカウントを悪くするのは捕手として勇気のいるサインだ。
しかしながら相手ベンチの作戦を読んでウェストのサイン出す矢野…
そして盗塁阻止。。。
観察力、洞察力、読みの鋭さ…これはキャッチャーで最も重要な能力だ。
その点について矢野は超一流だと自分は思う。



なぜここまで矢野について誉めているのか…それはやっぱり矢野が好きだからだ。
最初の方でも取り上げたが、最近のプロ野球は超一流キャッチャーと言われている選手にカリスマ的要素が含まれてきた。
それは確かにいいことだと思うし、悪いことだとも一切思っていない。
マイナス的な要素もそんなには見当たらない。
ただ、やっぱり、自分の野球観としては、
キャッチャーはやっぱり投手の女房役として影で支える…。。。
そんな昔ながらの!?キャッチャーが僕は好きなんです。。。
派手さはそんなにないけれど、一流の選手として認められるのはそれだけ凄いということ。。。
それが自分は言いたかったのかもしれません。。。
23年ぶりの阪神の日本一は言うまでもなく矢野が鍵を握っています。。。
ま、最終的にはホークスが日本一なんですけどねw



僕が北京オリンピックの代表監督だったら真っ先に矢野をレギュラーにするのだが。。。